土地家屋調査士事務所の生産性アップコラムーワンマン測量成功のポイントー

土地家屋調査士事務所の生産性アップコラムーワンマン測量成功のポイントー

日ごろよりコラムをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
船井総研の菅野紘之でございます。
土地家屋調査士事務所様の生産性向上のコンサルティングに従事させていただいております。

さて今回は、ズバリ!<ワンマン測量成功のポイント>というテーマでお送りいたします。

採用が難しく、労働集約型の土地家屋調査士業界で売上を拡大させるためには、「受託単価×処理件数」を最大化させる必要があります。しかし、いきなり既存のお取引先への単価アップは今後のお付き合いに影響を及ぼす可能性があるため、「処理件数」の最大化が重要になってきます。
「現場件数」と「処理件数」が増えれば、当然ながら売上は拡大していきますが、これまで通りのツーマン測量では、「処理件数」は増えず、現状を変えることは難しいです。

実際にワンマン測量を導入した場合、どのくらい効果があるのか見ていきましょう。
(例)不動産仲介会社から仮測量の依頼があった場合
仮測量→確定測量受託率50%/仮測量6件/確定測量単価40万円の場合
【ツーマン測量1班】
単価40万円×確定測量3件×ツーマン測量1班=120万円/月
120万円/月×12か月=1,440万円
【ワンマン測量2班】なら
単価40万円×確定測量3件×ワンマン測量2班=240万円/月
240万円/月×12か月=2,880万円

上記の例でワンマン測量の効果をお分かりいただけたと思います。

一方で、これまでツーマンで測量していた現場をワンマンで測量するため、例えば下記のように抵抗を覚える方も少なくありません。

①ワンマン測量を従業員全員に任せて上手くいくのか…
②ワンマンで測量できない現場もある…
③新人や後輩に教える時間も余裕もない…
④ワンマン測量の精度に不安がある…
⑤ワンマン測量だと結局時間がかかってしまうのでは…

日ごろの業務が多忙を極める業界ですので、何か新しいことを始める場合はこのように不安な気持ちになりやすくなりますし、最初の一歩を踏み出すのもなかなか難しいものです。
しかし、働き方改革の時流においては、省力化・省人化・効率化・生産性向上などが叫ばれている世の中ですので、これらの不安も一つずつ解決させていかなければなりません。
是非、以下の点を意識して準備していきましょう!

【①ワンマン測量を従業員全員に任せて上手くいくのか…】
人間誰しもが従来のやり方を変えることに抵抗を覚えるものです。しかし、いまのままでは残業も多いままですし、売上の拡大のために処理件数を最大化させることができません。いきなり完璧にできる必要はないので少しずつワンマン測量に慣れていくことが大切です。そこで、はじめは事務所の人すべてにワンマンで測量してもらうのではなく、まずは一名担当者を決めて、ワンマン測量のプロフェッショナルを育成していきましょう。

【②ワンマンで測量できない現場もある…】
ワンマン測量を導入したものの、失敗してしまうケースのほとんどは「すべての現場でワンマンで測量をしてしまう」ことです。人通りや交通量の多い場所でのワンマン測量はなかなか難しいものです。なので、現場に応じてワンマン測量とツーマン測量を使い分けたり、杭入れや検測などの簡単な現場でワンマン測量を活用するなど、ワンマン測量を活用する基準を設けて、使いこなしていきましょう。

【③新人や後輩に教える時間も余裕もない…】
ワンマン測量やワンマン器械の操作方法を動画で撮影して、分からない時に振り返ることができるようなガイドブックを整備すれば、教える時間や余裕がないときでも新人の方は知識を蓄えることが可能になります。また、新人の疑問点とその解決方法を事務所に蓄積していくことで次の新人の方々の育成に繋ことができます。

【④ワンマン測量の精度や器械がこちらを向いているか不安がある…】
一人で測量をするとなると、精度や器械がこちらを向いているか不安になると思います。数ミリの誤差なら現況測量であれば十分に活用することができますし、カメラ付きの器械もあるので実際にこちらを向いているか確認しながら作業を進めることができます。器械自体の精度や機能は問題はないので、用途によってワンマン測量を活用させていきましょう。

【⑤ワンマン測量だと結局時間がかかってしまうのでは…】
これまで、現場が終われば事務所に戻って作図をしてきたと思います。ワンマン測量の導入で現場件数が増えても、作図に時間を取られてしまうと処理件数の最大化に繋がらなくなってしまいます。
なので、担当者が測量している時間や移動中に事務所にいる方に作図をしてもらい、「測量」「作図」と役割を分担して処理件数を増やしていきましょう。
具体的な分業制の取り組みは次回のコラムで取り上げたいと思います。

以上、今回は土地家屋調査士事務所として売上拡大のための「ワンマン測量成功のポイント」についてお伝えさせて頂きました。ボトルネックの解消は売上拡大につながって参りますので、是非、上記の点を意識し、「現場件数」「処理件数」の最大化に繋げていきましょう!

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
次回のコラムは「土地家屋調査士事務所の生産性アップコラムー分業制成功のポイントー」になります。

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