タイアップを成功させる「研修型営業」のポイント
司法書士事務所コンサルタント 川崎 啓(カワサキケイ)
皆様、こんにちは。船井総合研究所の川崎です。
私の専門コンサルティング領域は司法書士事務所の経営コンサルティングですが、
士業事務所の営業活動を推進する営業担当者(所長・専任営業マン・営業兼任) を対象に、
士業横断型の勉強会「サムライ営業道場」も担当しています。
8月にはゲスト講師として、「みらい社会保険労務士法人」の城 敏徳先生に、
城先生が実践されている金融機関向けの営業についてお話を頂きました。
助成金案件の獲得を、HPなどの独自に集客する方法だけでなく、多くの融資先を抱える有力な
金融機関の営業マンに対して助成金に関する理解を促進し、自身の顧客に対して助成金を
提案させることで、事務所への相談案件数を増加させる「タイアップ営業手法」をとり、
見事成功されています。
この「タイアップ営業」そして、「研修型営業」は、現在、各士業の先生方が色々なチャネルで、
色々なテーマで実践されていることと思いますが、この「タイアップ営業」そして、「研修型営業」
を成功させる秘訣についてお伝えしたいと思います。
成功の可否はズバリ「対象者(営業マンなど)にとって本当に必要な応援ができているか」です。
どういう事かというと、研修型営業がうまくいっていない事務所に共通することが、
研修・勉強会のコンテンツが、営業マンにとって「聞きたい!」内容になっていないのです。
具体的な話を挙げたいと思います。
司法書士、税理士、行政書士の先生が現在、積極的に葬儀社に対して営業活動を行っています。
もちろん、各士業の狙いは「相続案件の紹介」です。
その為に、葬儀社の営業担当者に向けて「相続の基本勉強会」を提案しますが、もちろん、
その葬儀社のスタンスやレベルにもよりますが、ほとんどのケースで期待するほどの効果は上がりません。
それはなぜでしょうか?
葬儀社の担当者は「相続の基本」について知りたくもないから、です。
相続について知っても「自分の営業成績には全く関係ない」からです。
結局のところ、研修を行う対象者(営業マンなど)が積極的に参加したい、そのメリットが
明確にある研修にしか参加しませんし、そのようなタイアップしか望んでいません。
よって、上記の葬儀社の例では、望ましい勉強会のテーマは「相続の基本」よりは、
「士業と上手に連携し、葬儀施工数を増やす為の方法」として、
葬儀施工客に相続の相談を促し、二次相続対策として、相続人の葬儀予約を取る、
終活セミナーなどを実施して葬儀見込み客を募る、などの連携方法などについて話をし、
葬儀担当者にとって「この先生と連携すると、自分の成績が上がる!」と思ってもらわないと
いけないのです。
タイアップ営業を図るために、営業先に提案する内容として踏襲したい考え方は、いかに
(1)見込み客を作ることに協力できるか
(2)面倒な作業のアウトソーシング先になって楽にさせられるか
(3)顧客満足度向上に協力できるか
という「提案先の応援をする」という視点です。
「タイアップ営業」そして、「研修型営業」でなかなか成果が上がらない先生方は、一度
上記内容を確認して、提案内容を再考してみることをお勧めします。