『高生産性事務所』となるための秘訣
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士業支援部 事業開発グループの寺田です。
タイトルにもあるように、「高い生産性」を目指す際には、先ず「利益率が高い事務所」かどうかが非常に大切になっております。
もちろん、ある程度の規模に成長するまでは「売上」を優先しなければならないということはありますが、
利益を残すことができないと経営が安定せず、計画的かつ継続的な人材や販促費などへの先行投資が出来ません。
ましてや、「相続専門業態」の来店型店舗のような経費のかかる取り組みを行う場合には、特に利益率が重要になります。
適正な利益を残すために、必要なこと
①売上を上げる:商品・サービスの売上、手数料収入など
②経費を下げる:人件費、家賃、販促費など
③商品原価を下げる:商品・サービスの原価
士業事務所の場合は③は殆ど掛からないため、①、②をそれぞれ行っていくことが必要です。
経費の中でも「販促費」は適正であることが前提ですが、継続的にかけていかないと新規売上を創ることができないため、
売上の10~15%程度を基準にかけ続けていくことが必要です。
そのため、士業事務所における抑えるべき経費項目は「人件費」です。
せっかく新規案件を獲得しても、人件費にコストがかかりすぎると利益が残りません。
「人時生産性」「労働分配率」は適正か?
そこで押さえておきたい指標は「人時生産性」です。
「人時生産性=粗利高÷総労働時間」の計算式で算出されます。つまりは1時間あたりの粗利高です。
まず、自社の現状を知るためにこれらの数値結果が、業界平均と比べた時にどの程度なのかを把握しておくことが必要になります。
一般的な相続分野の人時生産性は約2,500~3,000円/時です。
それに対して、相続注力事務所様の中で高い生産性を誇る事務所様の場合、相続分野の人時生産性が約4,800円です。
皆様に分かりやすく年間の生産性でお伝えすると、年間の法定労働時間が2,080時間なので、約1,000万円となります。
上記数値を見てお分かりいただけるように、この年間生産性は決済業務の生産性に匹敵します。
このように相続業務も決済業務に引けを取らない高い生産性を実現する事が可能です。
また、「労働分配率」も押さえておくべき指標の一つです。
「労働分配率=総人件費÷粗利高」で算出することができます。
労働分配率は、約45~50%が全業種の平均値であり、その中でも人が重要視される士業は50~55%が平均値と言われています。
労働分配率が上記数値以上の状態が続くと事務所経営が非常に苦しくなってしまいます。
是非、一度事務所の「人時生産性」と「労働分配率」を確認してみてください。
では、実際に「高生産性事務所」は何をやっているのでしょうか?
結論から言うと、労働の分業化の徹底です。
業務分業体制を構築し、労働の分配をあげることで、経営者、資格者の業務過多を防ぎ、それぞれの業務に集中することができます。
分業化のポイントとしては次のようにまとめられます。
①業務分業体制を構築するためのルール作り
②代表・資格者の手を空けること
③業務効率化にデジタルシフト
愛知県を拠点とする弊社のご支援先は、この結果、相続分野で売り上げを1億2000万円を突破し、事務所のあるエリアで確固たるポジションとシェアを確立することにになりました。
次のセクションから各ステップについて解説していきます。
①業務分業体制を構築するためのルール作り
業務分業体制の構築にあたり、まず実施しないといけない点は、ボトルネックとなっている原因の追究です。
どの案件のどの業務が、代表・資格者の負担となり、専門業務の制限となっているのかここを明確にすることが大切です。
明確にするためにオススメの方法が案件の一元管理です。
資格者個人で案件を管理するとデータの把握に時間がかかってしまうのは勿論、ブラックボックス化してしまう恐れがあります。
そのため、管理ソフトを使い情報の一元管理を行うことでブラックボックス化を防ぐことができます。
次に業務の細分化です。
業務について細分化し、マニュアルを作成することでパートスタッフに任せれる業務の領域が増え、
資格者は面談に従事するといった環境を作ることができます。
②代表・資格者の手を空けること
パートスタッフに業務を任せることで、文鎮型ではなくピラミッド型の組織になり、役割を明確にすることができます。
そして、代表・資格者の手が空くことによって代表は経営に、資格者は面談にといったように業務に集中することができます。
これにより、資格者には生産性の意識を持たせることができ、代表が営業・面談・業務処理について全て把握しなくてもいいという状態を作ることができます。
③業務効率化にデジタルシフト
デジタルシフトをする理由は、業務の効率化をさらに上げるためになります。
例えば、①の業務分業の際にも触れましたが、情報の一元管理を行えば、案件について検索すれば出てきますし、
フォーマットを作ってしまえば、案件の入力を済ますだけで、書類が完成するという状態にすることができます。
更に、この状態を標準として保存をしておけば、書類作成業務をパートスタッフがこなすこともできます。
また、支社を持つ事務所様であれば、WEB上でデータを共有すれば、支社の方でもその書類を受け取ることもできます。
このように、デジタルシフトをして、標準化した状態を維持できれば大幅な生産性の向上へと繋がります。
船井総研として
船井総研では、今までたくさんの事務所様のDX化を筆頭に司法書士事務所様の事務所に貢献してきました。
そこで培われたノウハウや実績から、事務所のDX化、経営課題、営業に至るまで事務所の抱えるお悩みにお答えしてみせます。
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