相続登記義務化を受けて、相続注力事務所が取るべき戦略!

相続登記義務化を受けて、相続注力事務所が取るべき戦略!

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新型コロナウイルス感染症に罹患された皆さま、および関係者の皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い収束を心よりお祈り申し上げます。
感染拡大が続く状況を鑑み、新型コロナウイルス感染症に関する当社対応としまして、当面の間、セミナー・研究会を、ご来場による開催からWEB開催に切り替えさせて頂いております。
また、随時、新型コロナウイルス対策関連セミナーを実施させて頂いております。皆様の会社経営、新型コロナウイルス感染対策の一助となれば幸いです。
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いつもご購読いただきましてありがとうございます。
船井総合研究所相続グループの小手川玲奈です。
今回は、相続登記義務化に伴う相続市場の変化と今後、相続注力事務所が取り組むべき2つの具体策について解説していきます。

 

1.相続登記義務化の概要と義務化に至った背景

相続登記義務化は、2021年2月に法制審議会で民法および不動産登記法の改正の要綱案が議決、2021年3月5日に閣議決定され、2023年を目途に施行予定となっています。
義務化の背景としては、所有者不明の土地の増加が挙げられ、国交書の2017年調査によると全国の土地の2割が所有者不明であり、このまま所有者不明の土地が増加してしまうと公共事業や地震等の災害からの復旧の妨げが起きるなどの問題が発生してしまいます。
所有者不明の土地の増加は、約6割が相続登記の不備、約3割が住所変更をしていなかったことによって起こっています。
このことから、所有者不明の土地を減らすためにも相続登記の義務化がされることとなりました。

また、相続財産のうち約40%と多くが不動産であることを考えると、相続登記の義務化は今後の相続市場に大きく影響を及ぼすと言えます。
そのため、今後は義務化後の相続市場の動向をしっかり踏まえた上で、どのように売上を最大化させていくかを考えることが重要となってきます。

2.相続登記義務化に伴う今後の相続市場の動向とは

相続登記義務化が施行されると、より相続登記のニーズが高まり士業以外の業界が相続市場に参入してくることが予想されます。
現在、既に不動産会社や金融機関など士業以外の業界が相続市場に参入してきています。金融機関では自社で相続商品を持ち集客をしていることや、不動産会社では相続関連で発生する不動産売却や土地活用まで提案するビジネスを展開してきています。
更に、大手税理士法人も相続市場に参入してきており、WEBマーケティング上での競合性が上がってきています。

このように、他業界が相続市場に参入してくると、士業事務所では以下2点の問題が予想されます。

①不動産会社などが相続案件の窓口となり、相続の反響を奪われてしまう
②不動産売却をキャッシュポイントにすることで相続手続き費用の引き下げ

上記の問題が発生すると、士業事務所自らが相続案件を集客できず、また手続き費用の値下げ競争によって高単価案件を獲得しづらくなるため、売上に大きく影響を及ぼしてしまいます。
このような問題にならないよう、今後は「相続手続きから不動産売却までワンストップサポートできる体制の構築」と「士業以外の業界との連携強化」を行うことが重要となります。

3.今後、相続注力事務所が取り組むべき集客施策

他業界や大手税理士法人の相続市場参入という変化に伴い、今後は以下2点に取り組んでいくことが重要となります。

①相続手続きから不動産売却までワンストップサポートできる体制の構築
不動産会社など他業界の参入によって士業事務所自らが相続案件を獲得できず登記案件のみを行っていくという状況にならないように、遺産整理業務の段階から不動産売却案件までをサポートできる体制が重要となります。
まずは、相続発生後の商品を提案・受任できる体制を整え、その上で相続に関する周辺業務も行える体制をつくり、「相続に関することなら、この事務所で一気に行ってくれる」と認知させ自事務所が相続案件の窓口となる仕組みづくりが重要となります。

②相談会の開催数を2~3倍に増やす
自事務所でのサポート強化とともに、既に相続分野に参入している他業界と連携をすることで、より集客の最大化を図ることができます。
新型コロナウイルスの影響もありましたが、士業事務所の相談会開催状況は回復傾向にあります。
2020年5月~7月の相談会開催状況は下記の通りで、昨年比では若干開催数や集客数が落ちてしまっていますが、エリアによっては参加人数が20名と集客ができている事務所もありました。

そして、同年8月の開催状況は下記の通りであり、第1回緊急事態宣言から夏にかけて、徐々に集客数が回復傾向となってきました。

また、今年の1~3月の開催状況は下記の通りとなりました。
お問い合わせ状況は平均約20件と緊急事態宣言下であっても例年並みの集客数に戻りつつあります。

このように、コロナ禍で緊急事態宣言があっても、相談会はコロナ前の数値並みに集客が可能であることが分かります。また、2021年1月~3月のデータを見ると、最大で1,540,000円の報酬を出した士業事務所もあり、この事務所では販促費216,000円で開催し、集客数が19件、そのうち受任数を4件獲得しており、販促費を抑えつつ売上を最大化させています。
このように、相談会は現状も集客、売上ともに見込める手段になりますので、コロナ禍であっても相談会による集客(チラシ集客)は止めずに続けていくことで売上向上に繋がります。
また、相談会は、販促費を抑えながら現在の開催数を2~3倍に増やし、「相続案件はあの事務所に依頼しよう」と地域内で認知させることが重要です。そのためには、チラシなどの販促費を負担してくれる不動産会社や他士業との連携が必須で、より集客数の増加と高単価案件が見込めそうな開催エリアの選定・変更が鍵となります。

いかがでしたでしょうか?

今回は相続登記の義務化に伴う相続市場の今後の動向と相続注力事務所が行うべき具体策について解説していきました。
今後は、相続案件をワンストップサービスできる体制をつくること、相続市場に参入している他業界企業と連携し、いかに他企業・事務所と差別化できるかが重要となっていきます。

また、弊社では相続・財産管理研究会という、相続分野について会員様同士の情報交換の場も設けております。
こちらの研究会は、今回解説した「相続登記の義務化」のように時流に合わせた情報提供や、全国の司法書士・行政書士事務所経営者の先生方の取組みや成功事例が分かるプラットフォームとなっています。

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日時:2020年6月5日(土)11時~16時半終了
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【執筆者:小手川 玲奈】

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