「脱・資格者体制」を上手に進める3つのポイントとは?

いつも、当コラムをご覧いただきありがとうございます。
船井総合研究所 事業開発グループの寺田眞音です。

実は資格者自体がボトルネックになっている⁉

多くの相続注力事務所ではセミナー集客やWEB集客などの取り組み
を行われており、取り組み開始から早くて半年、遅くとも1年後には問合
せ件数や受任件数は増えてくる傾向にあります。
 業績も好調で、売上も増え、一見すると事務所にとっては良いことの
ように思われますが、実は大きな落とし穴が待っていることがほとんど
です。
 それは「資格者に業務が依存しており、資格者だけが忙しく、資
格者の業務で事務所全体の業務が遅れる」という現象です。
 上記のマーケティングの取り組みでおおよそ相続部門の売上は
3,000万円程度までは伸ばすことができますが、この「資格者自身がボ
トルネック」というのが理由でぴたりと相続部門の成長が止まる事務
所様をこれまで多く見て参りました。
 といったことが挙げられます。お読みいただいている先生方の中にも
思い当たる節があるのではないでしょうか。
 多くの相続特化事務所をコンサルティングさせていただいておりま
すが、9割の事務所様が上記の要因に当てはまっており、成長が止
まったり、資格者のみ忙しく残業時間が多くなったり、といった
状況に陥っています。
 最悪の場合、残業時間が多いことから資格者の退職を招いてしまい、
残っている資格者への依存が更に高まるという悪循環にもなってしま
うことも散見されます。

脱・資格者体制を築くためのたった3つのポイント

多くの事務所で相続手続き業務は資格者にしか出来ない業務となって
しまっています。つまり、これから伸びるマーケットであるにもかかわら
ず、相続業務が生産性が低く事務所の成長を妨げる要因の1つになってい
るのです。また、相続業務が滞ってしまい、お客様から催促がきている状
態になっている事務所も少なくないのではないでしょうか。相続業務の
受任件数を増やし業績を上げていくことも大事ですが、同時に現在の処
理体制を生産性の高い業務処理体制へ組み直す必要があります。
 では、「脱・資格者体制」にしていくには何をしていけばいいのか?
 今までの「最初から最後まで資格者が行う」や「資格者以外に業務なん
てできない」という当たり前を捨てて、「脱・資格者事務所」に向けて、取り
組んでいただきたいたった3つのことをお伝えいたします。
ズバリ、「脱・資格者体制」を実現するためのポイントは以下の3つです。
【標準化】誰でもできるようにする
【分業化】資格者は資格者にしかできない業務をする
【デジタル化】案件の詳細を誰でもわかるように、見えるようにする

ここからは、1つずつ取り組みについて解説をしていきます。

資格者以外、誰でもできる体制を作る「標準化」

相続事務所だけでなく、士業事務所の大きな特徴ですが、資格者単位で
業務のやり方やお客様単位で業務のやり方が違うといったことがよく起
こります。もちろん、難易度の高い業務や個別対応が必要な業務はありま
すが、それらの業務は全体の割合で見てもそこまで多くないはずです。
 ですので、「一般的な業務」に絞って仕組化を行うことで、誰でも
わかる状態になり「脱・資格者体制」に向けて最初の一歩を踏み出せるの
です。

 このように業務フロー表にまとめてみると、意外と個別対応や各資
格者に依存した業務というのは多くないということがお分かりい
ただけるかと思います。
 まずは、資格者単位で業務フローが異なっていないか?に焦点を当て
て、事務所の業務フローを標準化していくことが何よりも重要です。
 また、業務標準化したのちは、初心者でもできる体制を築くために、
マニュアル化を進めることも重要です。業務標準化できているからこ
そ、マニュアル化の意味が出てきます。マニュアル化しておくことで、
資格者や正社員が教える時間も削減することができますし、採
用した貴重な人財を即日戦力化することも可能になりますので、
業務標準化とマニュアル化はセットで進めることをお勧めします。

資格者がやるべき業務に注力する「分業化」

相続業務において、資格者がやらなければいけない業務は不動産登記
や決済案件と違って限りなくゼロに近いです。しかし、一般的には
今までの名残で資格者がすべてを行っているケースがあると思います。
 先ほどものべましたが、業務標準化できており、かつマニュアル
化ができていれば資格者が全ての業務を行う必要がないことは
お分かりいただけるかと思います。
 弊社が考える理想的な分業フローは以下の通りです。

この分業体制が構築できるメリットとしては、

業務処理をしない時間でセミナーや面談ができる
クロージング力の高い資格者がクロージングに注力できる
プロフェッショナルが育成でき教育面での資格者の負担も軽減できる
教育の時間、業務進捗も任せられるため更にセミナーや面談ができる
事務所全体の業務処理能力が高まりより多くの案件を受任できる

ということになり、分業するだけで事務所全体が善循環になっていきます。
 分業とお伝えすると、「経験がないのにできるわけがない」や「自分で
やった方が早い」というご意見をよく聞きます。おっしゃることはすべ
てその通りです。
 まず、「経験がないのにできるわけではない」ということに関しては、
先ほども触れたように業務のマニュアル化を通して解決していきます。
語弊を恐れずに申し上げますと、特段高い能力を必要としない業務
(例えば書類作成や資料収集など)を分業していきますので、そのポ
イントをまとめたマニュアルを作成していきます。

次に「自分でやった方が早い」ということについてですが、いきなりす
べての業務を分業しようとすると必ず失敗します。まずは「任せても大
丈夫」と思ってもらうことが重要になります。仕事を任せる側はできて
当然と思っているのに対して、任される側は初めてやる業務がほとんど
なので、そもそもスピード感に差が出るのは当然です。そのために、分
業する業務を絞り、その業務を理解出来たら次の業務に進むこと
で、それぞれの業務の習熟度が高まり、任される側も自信
を持てますし、任せる側も「これなら大丈夫」と思うこと
ができるのです。

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【執筆者:寺田 眞音】

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