司法書士事務所専用の評価制度について
お世話になっております。
司法書士事務所専門にマネジメントコンサルティングに従事しております、浅野でございます。
今回はよくお問合せをいただく評価制度について
コラムを書かせていただきます。
皆様にとって下記のような課題はございませんでしょうか?
・所員の処理能力を上げて、自分はもっと営業したい。。
・しかし自分も処理してしまっている状況なので中々営業できない。。
・所員に成長して欲しいと思っているが、中々成長してくれない。。
・それどころか、所員のモチベーションが低く、そもそも成長意欲がない。。
・もっと仕事ができるようになってほしいが、難しそうなので採用したい。。
・しかし、他の事務所と比べて差別化ができていないため採用できない。。
上記のような原因は、基本的には評価制度で改善することができます。
評価制度を簡単に言い換えると『暗黙の業務命令』です。
通常の業務命令は、直接所員に伝えて半ば強制するものですが、暗黙の業務命令はルールを作って明文化させて、所員が成長する環境を整え、その環境下において所員の成長を促進させるものです。
ルールを明文化させる暗黙の業務命令で、成長が促進する理由は3つあります。
⑴成長するために何をしなければならないかが明確であるため
⑵成長したら給与や待遇がどうなるかという将来性が明確になるため
⑶直接業務命令されるわけではなく自ら行動を選択する環境で主体的になるため
その暗黙の業務命令である評価制度を作るポイントは、昇給基準と昇給割合の明確化です。
ここでは昇給基準の明確化のみ取り上げさせていただきますが、基準を明確化するためには下記の3つのシートを作成します。
・業務量シート
一人一人の所員が特定の業務について、どれだけの量を毎月処理できるかを測定するシート
・スキルシート
一人一人の所員が、司法書士事務所でできるようになる必要のある業務範囲の中で、どこまで手広く対応できるかを評価するシートです。
・クレドシート
一人一人の所員の考え方・行動が事務所や代表の考え方・行動に沿っているかどうかを評価するシートです。
評価制度には副次的な効果もあります。
成長したら給与や待遇がどうなるかを所員が想定できるようになるため、まず定着率が向上します。
次に就業時間内の業務量も評価するため、所員が処理業務量を一つの給与アップKPIとして意識するようになり、一人当たりの処理業務量が増えるため生産性が向上します。
また、スキルシート(業務範囲)で様々な仕事ができる所員の割合が増えるため、特定の所員の退職によって仕事が回らなくなることがなくなります。
これまでご紹介したように評価制度には様々なメリットがありますが、実際に構築・導入・運用するには非常に骨が折れます。
まず構築についてはあらゆる評価項目を作成してそのバランスも考えなければなりませんし、そもそもせっかく構築が終わって所員に発表する際に所員から反発されてボツになってしまったり、いざ導入したと思えても忙しくて段々と形だけのものになってしまったりします。
それでは全く意味がありませんので、評価制度を構築・導入・運用する際は、十分ご注意ください。
以上、評価制度の趣旨やメリット、注意点などをご紹介しましたが、昇給割合や年収シミュレーションなどまだまだお伝えしていないことが山ほどございます。
下記のご連絡先にお問い合わせいただければ無料経営相談として詳細をご説明させていただくことも可能です。お気軽にお問い合わせ下さい。
皆様の事務所繁栄を心より切望しておりますのでご参考になれば幸いです。
【執筆者:浅野 大樹】